お祝いと感謝の心


秋も深まり、気温の変動が大きくなる季節は
夏に青々としていた葉っぱが赤くなったり黄色くなったり
色とりどりに変わって山の色が一段と綺麗になるこの季節

学生達は夏服から冬服に変わり
気温の上がり下がりを対応する為に1枚多く着てみたりして
自分なりに過ごしやすいカッコで学校生活を送っていた。

ともあれ、春に始めて知り合い何かの偶然で同じクラスに
なった同級生達はお互いの性格などが解り始め一段と仲良くなり
休み時間などは会話が花咲き一段と賑やかになる時間に
ある1つの集まりから普段より大きな声が聞こえ、
クラス全員の視線を集めてしまったが
声を上げた少女は構いもせずに話を続けた。

「まさか、風祭さんがこげんこと知らんかったとは・・・」

「ごめんねぇ・・・役に立たなくて」

驚きと呆れの混じった言葉に、申し訳なさそうに誤ると

「そげんことは良かよ。だけん本当に何も準備しとらんと?」

周りにいた少女はナニかを聞き出そうと言葉を言うが
質問された少女は苦笑しながら

「うん。今、初めて知ったの」

申し訳なさそうに答えを返すと
納得したのか話を止め自分達の席に戻っていった。

少女達の後ろ姿を見ながら、誰にも聞こえない様な小さな
溜息を付くと後ろの座席から声が聞こえた。

「あの子達も、そげん事聞いてどげんすると!
 もいちいち答えんと適当に受け流せば良かとね!」

名前を呼ばれイスに座ったまま後ろを向き話し掛けてきた人物を
視界に入れ

「そのつもりだったんだけど・・・・
 カズ先輩の誕生日の事だったからつい・・・・・・
 は知ってた?」

、本当に功刀先輩の誕生日知らんかったと?」

苦笑しながら答えるの言葉に、知っているもんだと
勝手に思い込んでいたは信じられないと言う
感じで言葉を返すと、は力なく頷き

「誕生日の話をした時はぐらかされちゃって・・・・・・
 私はお祝いしちゃダメなのかなぁ・・・・・・」

落ち込み始めてしまったを必死なって元気付け様と
ワザと大きな声で元気な様な音を出し

「たぶん、恥ずかしかったとね。
 功刀先輩は聞かれて素直に答える様なヤワな男じゃなか!
 に気を使わすのが心苦しかったと。
 絶対ソウや!だけんは気にせんで良いばい
 普通にお祝いして・・・・なんやったら驚かしても良かとね!」

の話を聞いていたの言いたい事に気が付き
話に便乗し始めた。

「そっか!!教えてくれないんだったら当日まで何も聞かないで
 その時になったらお祝いすればいいんだよね!
 なんだか楽しそう」

「そうそう!じゃ計画立てると。
 料理はが功刀先輩の好きな物を作れば良か。
 だけん、プレゼントは何にするかが問題ちゃねぇ・・・・・・」

「そうだよねぇ・・・・毎日一緒に帰っているのに1日だけ
 一緒に帰らないのは怪しまれるよね・・・・絶対・・・・・・・・」

の机の上にノートを広げ、その中にはカズの誕生日お祝い計画が
次々に書かれていくが、今まで順調だったのがアル問題で
話が進まなくなってしまった。

せっかく驚いてもらう計画をしているのに、の行動1つで
バレる可能性が出てくる。
普通に隠し事をしているつもりでもカズの洞察力で
直ぐにバレてしまう。
ソレだけはどうしても避けたかった為
プレゼントはが買いに行く事になった。

「だけん、の好みもあるやろうし
 それに私が買ったなんて解ったら功刀先輩ガッカリするとね
 それでも良か?」

不安というより自分が買った事でカズが見えない所で肩を落す
姿を想像すると、どうして自分が買いに行く事に気が引けたが

「でも、カズ先輩の誕生日まで休日が無いし・・・・
 なら私の好みも知ってるし一番信用が出来るの!!
 ムリを言っているのは解ってる。でも、しか頼れる人がいないの!」

必死に懇願され、一番信用が出来るという言葉に
断悪事が出来ず

「解った。今日ナニか探してくるたい。
 それで、何種類か選び出しが選ぶ!
 それでよかと?」

「うん!本当にごめんね・・・・・ありがとう!」

頭を下げられ、誤りと感謝の言葉を言われ
の頭の中では近くにあるスポーツ店を思い浮かべ
どの店から行けばいいのかシュミレーションが行われていた。

ま、好みのを数点選び出して
明日、物と色やカタチを伝えて
気に入ったモノを買ってこれば良かね・・・・

目の前で楽しそうにカズの誕生日の計画を立てている
姿を見つめながらの頭の中でフッと1つの考えが浮かんだ。

もしかすると、みたいに無邪気に微笑みかけながら
お祝いされるのが恥ずかしいから言わんかったと?

だけん、他の女子が騒ぐのだからどんな事があろうとの耳には
入るはずと・・・・・・

さっぱり、解らんばい・・・・・・

なりにカズの心境を考えてみるものの本人ではないので
ナニを考えナニを思っているのかは解らず

まぁ、当日か後日になれば解るばずちゃ!
そげん日ば待てば良か!

自分なりの答えを出し、自分の出来る事をすれば良いとの
答えをを出し、授業終了後1人でプレゼント選びに
街に繰り出した。

色々見て周りの好みと功刀が使える様なモノを
選び出すと店の名前と場所を覚えておき
明日再び店を訪れ買い物をする。

1つ、1つの計画を完成させるパーツを揃えていく。

全ては9日のソノ時まで

ソノ時まで普通で突き通す
何時でも何処に居てもいつも通り普通でいれる様に・・・

計画遂行は授業中に
話し合いは休み時間に・・・・・

「今日、頑張るからね!」

嬉しそうに笑うと大きく手を振り
いつも通りサッカー部で練習を終えた功刀を一緒に帰って行く
姿を図書館の窓から見下ろし
帰ってから2人だけで行われるであろう誕生日パーティの
成功と2人の反応を想像をして独り笑い独り家に着いた。

さてさて、2人はどうなるのやら・・・・・・・・

「カズ先輩。今日ご一緒に夕食、食べませんか?」

「あぁ?」

「昨日もご一緒でしたからダメですか?」

「べつによか・・・・・」

「じゃぁ、我が家に来て下さい」

「解った」

冬へと向う冷たい空気を纏った夜空の中
所どころにある外灯の光を受けながら家へ歩き続けた。

「先に作り始めてますのでいつでも来て下さい」

「わかった」

お互いの家の門を潜り家に入って行った。

同じタイミングに自室の電気が付くが消す時は
違いの方が早く消え階段を下りる音が響き
キッチンの電気を付け計画を立てたその日から密かに
準備した材料を慣れない手つきで始めていく

大きな鍋に水を入れ火に掻けると
次の作業を進めていく。

「何作っとう?」

いきなりの声に驚く事無く

「実は創作のパスタを作っているんです。
 具は明太子とサーモンを使うんですよ」

「そげんモノんより・・・・・」

どこか飽きれた声が聞こえるとすぐさま言葉が返り

「大丈夫ですよ!信じてください」

笑顔の言葉で返すと溜息が聞こえると
の横に立ち手伝いをし始めた。

いつもの様に2人で夕食を作り
出来上がるとテーブルに運び水とコップを運ぶと
2人してイスに座りスプーンとフォークを持つと
夕食の始まる

「どうですか?」

「上手いと思うか?」

「はい!絶対美味しいハズです」

スプーンにパスタを巻き付けるものの
どうしても口に運ぶ勇気が無く目の前に座っている
言葉をかけるが笑顔で返されると
決意をしたのかの視線を感じながらパスタを
口の中に運んだ。

「ど・・・どうですか?」

口に運ぶにも中々感想を貰えないからか
段々不安になってきたは不安そうに
言葉をかけ続ける

「美味しくないですか?ダメですか?」

食べる事を止めカズの顔を見つめていると

ようやく1口目を飲み込むと今まで塞いでいた口を
開け

「食えん事はなか・・・・」

見た目で判断し想像した味が良く似ており
食べれ無い程不味くは無かった。

「本当ですか?」

カズの言葉で感想を貰ったにも拘らず
心配そうに聞いてくるの言葉を無視し
カズはパスタを食べ続けると
も安心したのか自分の皿に乗っているパスタを
食べ始めた。

いつも通りの食事風景と会話で終了し
食後の、のんびりとした時間が始まり
ゆっくりとした雰囲気の中に合う飲み物とお菓子を出す。

いつもならコーヒか紅茶にクッキー等の少しのお菓子
だが、今日は違った。

甘いモノだからコーヒがいいかなぁ?

昨日の間に作ったケーキと飲み物を出す

「カズ先輩。
 今日ケーキ焼いたんです食べて下さい」

甘味を控えたケーキを出し
カズの反応を確かめる様にはカズの顔を見るが
何も反応は無く出されたケーキを食べ始めると
何も無かった様に帰る時間になり
はカズを見送り出す。

失敗?だったかなぁ・・・・・・

やっぱり、先におめでとうて言うべきだったかなぁ・・・・

でも、教えて貰えなかったし・・・・・・・

玄関先でツブやきながら夕食に使った皿を片付けを
する為にキッチンに入り急いで片付けお風呂に入り
自室の窓で先ほど分かれたばかりのカズの姿を待つ

「カズ先輩。こんばんわ」

「おう」

「誕生日おめでとう御座います」

「おう」

「あの・・・・どうして・・・・・」

どうして教えてくれなかったんですか・・・・

ソウ言いたかったのにカズの顔を見ていると
どうしても最後まで言えず下を向いていると

「ケーキありがとな・・・上手かった」

「いえ・・・・あの!
 1つお聞きしたい事があるのですが」

いきなりのの大きな声にも驚かず

「なんや?」

驚く事無く冷静に受け止め尋ねると
は言い難いのかカズから視線を外し

「あの、どうして私に教えて頂けなかったのでしょうか?」

言葉を言ったがカズを見
言葉を聞いたカズがを見

お互いの視線が合う

「誕生日の事か?」

「はい」

「別に理由はなか」

「本当ですか?」

「あぁ。そげん事でウソは言わん」

「・・・・・・・解りました。カズ先輩がソウいうなら」

お互い視線を外さず行われている会話は
相手の心の中を見付ける手がかり

少しでも視線を外したりすれば
疑う事も出切るが、視線は外れる事無くお互いを見ている

何も疑う事無し

ソノ言葉に思う

カズ先輩は騒がれるのがイヤだったのかもしれない
だから、言わないかったのかもしれない。

今日のパーティは成功カナ?

納得できない所もある
でも、自分の事を1番解っている本人が言っているのだから
間違いは無いだろう。

信じればイイ

「オレはそろそろ寝る。ばってんも早よ寝るとよ」

窓から離れガラスに手を掛けているカズに
も頷き窓から離れかけるが思い出した様に
声を上げカズを呼びとめ

「カズ先輩!誕生日おめでとう御座います」

嬉しそうに弾んだ声と笑顔で言われた言葉に
カズは手を上げ体の動きで返事を返すと
カーテンを閉め姿は見えなくなった。



翌日、一緒に計画を立て協力してくれた
お礼と報告をする。

「やっぱり、渡せんかったとねプレゼント」

「うん・・・・・・自分で選んでないから渡せなくて
 ごめんね

「良かよ。だけんどうすると?」

「コレは私が使って、カズ先輩のは日曜日に
 買いに行って来る」

「それがよかと」

「私独りでは選べないからカズ先輩に着いて来て
 貰うの!」

「本人に選ばせると!?」

「うん」

今日の朝、約束したの

嬉しそうに今朝行われた会話を言うの言葉に
頷きながらも
良くカズが是と言ったものだと
思ってみたものの
結局、のは甘いカズの行動に密かに納得し
後日、買い物での感想話を楽しみで仕方ない自分がソコにいた。